J.C.BARが撮影した様々な色の非加熱カラーサファイア
J.C.BARが実物を撮影した非加熱カラーサファイア。 同じサファイアでも、一石ずつ異なる色と表情を見せます。

カラーサファイアとは?
非加熱だからこそ際立つ
色の価値と奥深い世界

サファイアと聞くと、深いブルーを思い浮かべる方が多いと思います。 けれど実際には、ピンク、パープル、イエロー、オレンジ、グリーン、 そして一石の中に複数の色が現れるものまで、 驚くほど豊かな色彩があります。

このページでご紹介するサファイアは、すべて非加熱です。 加熱による色の改善を受けずに美しい色彩を備えたサファイアだからこそ、 その色そのものをじっくり見ていただきたいと思います。

1級ジュエリーコーディネーター 嶋直樹
嶋 直樹 / Naoki Shima 一般社団法人日本ジュエリー協会認定 1級ジュエリーコーディネーター(JJA-JC)
日本真珠振興会認定 パールスペシャリスト

サファイアは、昔から特別な宝石だった

サファイアは、ルビー、エメラルドと並び、 古くから世界を代表する色石として扱われてきました。 王侯貴族のジュエリーにも用いられ、 現代でも世界の王室やハイジュエリーで愛され続けています。

その理由は美しさだけではありません。 サファイアは「コランダム」という鉱物で、モース硬度は9。 ダイヤモンドに次ぐ高い硬度を持ち、 リングをはじめ長く身につけるジュエリーにも適しています。

さらに、ジュエリーの主役となる大きさの結晶が得られることもあります。 美しさ、耐久性、希少性。 このバランスの良さも、 サファイアが長い歴史の中で特別な宝石であり続けてきた理由です。

MINERAL コランダム
CHEMISTRY Al₂O₃
HARDNESS モース硬度 9
BIRTHSTONE 9月

9月の誕生石は、青だけではない

サファイアとルビーは、同じコランダムという鉱物です。 赤色として評価されるものをルビー、 それ以外の色のコランダムをサファイアと呼びます。

そのため、サファイアにはブルーだけでなく、 ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、 パープル、ヴァイオレットなど幅広い色があります。

9月の誕生石だからといって、 必ず青いサファイアを選ぶ必要はありません。 自分が本当に好きだと思える色を選べることも、 サファイアならではの魅力です。

なぜ、これほど多彩な色が生まれるのか

純粋なコランダムは、ほぼ無色です。 結晶が成長する過程で取り込まれるごく微量の元素や、 結晶内部の状態によってさまざまな色が生まれます。

代表的なブルーは主に鉄とチタン、 ピンクにはクロムが大きく関係しています。 さらに元素の組み合わせや結晶構造の状態によって、 イエロー、オレンジ、パープル、グリーンなど 多彩な色が現れます。

同じ「ピンク」でも、 オレンジを含んだ温かな色もあれば、 パープルを含んだ落ち着いた色もあります。

短い色名だけでは表現しきれない。 そこがカラーサファイアを見る面白さです。

非加熱サファイアには、明確な希少性がある

サファイアでは、色や透明感を改善するために 加熱処理が広く行われています。

加熱は宝石業界で一般的に行われる処理であり、 加熱されたサファイアに価値がないという意味ではありません。

しかし、加熱による改善を必要とせず、 自然の状態ですでに美しい色、透明感、輝きを備えたサファイアは限られます。

美しさと非加熱が両立したサファイアは、明確に希少です。

非加熱という条件だけでなく、 色、透明感、輝き、カットに優れた石であること。 その両方がそろったとき、非加熱であることは サファイアの価値をさらに高める重要な要素になります。

世界でも広がる、カラーサファイアへの評価

カラーサファイアは、 現在の国際宝石市場でも存在感を高めています。

GIAが2026年のツーソン・ジェムショーをまとめたレポートでは、 ファンシーカラーサファイアへの強い関心が報告されています。 なかでもピンク、パープル、ティール、グリーンなど、 従来のブルーとは異なる色にも注目が集まっています。

2026年 Christie’s 香港
6.99ctのマダガスカル産・非加熱パパラチァサファイアを用いたリングが、 101万6,000香港ドルで落札されました。

2026年 Sotheby’s Royal & Noble Jewels
スウェーデン王室に受け継がれてきた、 23.64ctのセイロン産・非加熱パパラチァサファイアを用いた 1910年頃のブローチが出品されています。

非加熱パープルサファイア
Christie’sでは2026年、 4.38ctのミャンマー産・非加熱パープルサファイアも扱われています。

もちろん、オークション価格を一般の商品に そのまま当てはめることはできません。 色、透明感、サイズ、産地、非加熱、鑑別内容、 ジュエリーの由緒など、さまざまな条件が価格に影響します。

重要なのは、 青以外の上質なサファイアも 世界の高級宝石市場でしっかり評価されているということです。

産地の評価も、時代とともに変わる

サファイアでは、 カシミール、ミャンマー、スリランカなどが 歴史的な高品質産地として知られてきました。

一方で、産地の評価は固定されたものではありません。

マダガスカルのように、 後になって非常に上質なサファイアが発見され、 世界市場で大きく評価を高めた地域もあります。

長年、産地ごとのサファイアを見比べてきて感じるのは、 「○○産だから必ず良い」と単純には言えないということです。

同じ国でも鉱床によって特徴は異なり、 同じ産地から出る石にも品質の幅があります。

産地はサファイアの価値や背景を知るうえで大切ですが、 最後は目の前の一石の色、透明感、輝きを しっかり見ることが大切です。

ピンクサファイアは、見比べるほど面白い

ひとことでピンクといっても、 その印象はかなり違います。

オレンジを含んだ1.48ctの非加熱ピンクサファイア
鮮やかなピンクにオレンジを含んだ、 1.48ctの非加熱サファイア。
1.37ctの非加熱パープルピンクサファイア
パープルを含んだピンクは、 落ち着きと気品を感じさせます。

同じピンク系でも、 オレンジを感じるもの、パープルを感じるもの、 ラベンダーに近いものまで、それぞれ印象が異なります。

ピンクとオレンジが重なる、パパラチァサファイア

カラーサファイアの中でも、 特別な存在として知られているのが パパラチァサファイアです。

ピンクとオレンジの両方を感じる独特の色合いを持ち、 上質なものは非常に希少です。

J.C.BARのパパラチァサファイアルース
パパラチァサファイアのルース。 ピンクとオレンジが溶け合うような独特の色彩が魅力です。

パパラチァという名称だけを見るのではなく、 実際にどのような色をしているのかを見ることが大切です。

そしてルースの状態で選んだサファイアは、 ジュエリーに仕立てることで、また違った表情を見せます。

パパラチァサファイアを使用したJ.C.BARのオーダーペンダント
パパラチァサファイアを使用したオーダーペンダント。 ルースからジュエリーへ仕立てたJ.C.BARの制作例です。

色を選ぶところから始まり、 その石に合わせてジュエリーをつくる。 完成品を選ぶだけでは味わえない楽しさも、 カラーサファイアにはあります。

今人気の「ティールブルー」という青

サファイアの代表格は、やはりブルーです。

ただし現在は、 従来から知られてきた純粋な青だけでなく、 グリーンを含んだ奥深いブルーにも注目が集まっています。

こうしたブルーグリーン系のサファイアは、 「ティールサファイア」 「ティールブルー」などと呼ばれています。

1.54ctのハートシェイプ非加熱ティールブルーサファイア
ハートシェイプの非加熱ティールブルーサファイア 1.54ct。 青の中にグリーンを感じる奥深い色が魅力です。

一般的なブルーとは違う個性を持ちながら、 サファイアらしい深さと輝きを楽しめるところが魅力です。

3.06ctのパープリッシュブルーサファイア
ブルーの奥に紫を秘めた、 高貴な印象を与えるサファイア。

一石の中にブルーとイエロー

サファイアを見ていると、 一石の中に異なる色の領域が現れているものに 出会うことがあります。

これは、結晶が成長する過程で 色の原因となる微量元素の入り方などが変化し、 部分ごとに異なる色が現れたものです。

このように一石の中で色が分かれて見える状態を、 「Zoned」または「color zoning」 と表現します。

ブルーとイエローのカラーゾーニングが見られる1.56ctの非加熱サファイア
ブルーとイエローの異なる色の領域が見られる、 1.56ctの非加熱サファイア。

均一な一色ではなく、 ブルーとイエローがひとつの石の中に存在することで、 とても個性的な表情を見せています。

同じ色の入り方をした石を、 もう一度探そうとしても簡単には見つかりません。

ジュエリーに仕立てる際には、 どの色を正面に見せるか、 どの方向を上にするかによっても印象が変わります。

自然がつくった色の配置そのものを楽しめる。 これもカラーサファイアの面白さです。

大きさと色を楽しみやすいイエロー

2.15ctトリリアントカットの非加熱イエローサファイア
2.15ctの非加熱イエローサファイア。 トリリアントのシャープなフォルムも魅力です。

今回、私が個人的におすすめしたい一石です。

明るいイエローと三角形のシャープなカットは、 リングにしてもペンダントにしても とても現代的な印象になります。

イエロー系は、 色や品質によっては比較的大きさを楽しみやすいものに 出会えることもあります。

色石らしい明るい色と存在感を楽しみたい方には、 特に見ていただきたいカラーです。

燃えるようなオレンジも、サファイアの色

2.17ctのトップグレード非加熱オレンジサファイア
燃えるような色と輝きが印象的な、 2.17ctのトップグレード非加熱オレンジサファイア。

鮮やかなオレンジサファイアを見ると、 「これもサファイアなんですか」と 驚かれることがあります。

強いオレンジの発色と、 コランダムならではの輝きが重なることで、 炎のような力強い表情を見せます。

そして、こうした色はジュエリーに仕立てることで、 また違った魅力を見せます。

オレンジサファイアを使用したJ.C.BARのオーダーピアス
オレンジサファイアを使用したオーダーピアス。 鮮やかな色を生かして仕立てたJ.C.BARの制作例です。

ルースで見る色の魅力と、 ジュエリーとして身につけたときの華やかさ。 その両方を楽しめるのも、 カラーサファイアならではの面白さです。

似ているようで違う。自分の色を選ぶ楽しさ

色調の異なる複数の非加熱ラベンダーサファイア
似ているようで、一石ずつ違うラベンダーカラー。 自分の好みに合う色を見つける楽しさがあります。

青味が強いもの。 赤味を感じるもの。 淡く明るいもの。 深みのあるもの。

同じラベンダーやパープルと呼ばれるサファイアでも、 実際に並べてみると一石ずつ印象が違います。

誰かが決めた「一番」ではなく、 自分自身が心地よいと思う色を選ぶ。

多様な価値観を大切にする今の時代にも、 カラーサファイアはとてもよく合う宝石だと思います。

動画で見る、カラーサファイアの世界

J.C.BARのYouTubeライブでは、 実物のカラーサファイアを動かしながら、 色や輝きの違いをご紹介しています。

光を受けたときに変化するサファイアの表情も、 動画でぜひご覧ください。

J.C.BARが非加熱カラーサファイアをご紹介する理由

私たちが非加熱サファイアをご紹介したいのは、 「非加熱」という言葉だけを売りにしたいからではありません。

加熱による改善をしなくても、 これだけ美しい色が自然の中で生まれている。 そのこと自体に価値があります。

さらにサファイアは、 ジュエリーとして仕立て、 長く身につけて楽しむことができる宝石です。

気に入った色を選び、 その石に合わせてリングやペンダント、 ピアスなどをデザインする。

ルースから向き合うJ.C.BARだからこそ、 一石ずつじっくり選んでいただきたいと思っています。

1級ジュエリーコーディネーター 嶋直樹

嶋 直樹 / Naoki Shima

一般社団法人日本ジュエリー協会認定 1級ジュエリーコーディネーター(JJA-JC)/ 日本真珠振興会認定 パールスペシャリスト。

世界各地の宝石産地や市場へ足を運び、 宝石の調査・買付を行う。 テレビ通販QVCでは10年以上にわたり、 宝石・ジュエリーの専門家として出演。

YouTube 「宝石鉱山探検家 ナオキージョーンズ」でも、 宝石の魅力、産地、選び方について発信しています。

主な参考資料

最終更新:2026年10月30日

非加熱サファイア特別展2026

J.C.BAR富山サロンでは、 2026年10月30日(金)から11月3日(火・祝)まで 「非加熱サファイア特別展」を開催しています。

今回のメインコレクションはすべて非加熱。 限定15点の非加熱ラベンダーサファイアも 特別価格でご紹介します。

ピンク、パープル、イエロー、オレンジ、 ティールブルーなど、 一石ずつ異なるサファイアの色を見比べていただけます。

非加熱サファイア特別展を見る