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大好評の動画解説シリーズ
アメシストの紫が高貴な色とされる理由から、カットやカラーバリエーションまで1級ジュエリーコーディネーター嶋直樹がご紹介します。
2月の誕生石アメシストはクォーツグループの中でも最も高貴で価値がある宝石。
美しく透明度の高い赤紫色のこの宝石は伝統的に人類に愛され、幸運のお守りである神秘的な力があると信じられてきました。
ここではアメシストの魅力と、オーダーメイド&リフォームジュエリーの製作事例をご紹介します。
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アメシストの紫が高貴な色とされる理由から、カットやカラーバリエーションまで1級ジュエリーコーディネーター嶋直樹がご紹介します。
アメシストは新約聖書や、ギリシャ神話など様々なエピソードと共に語られていますが共通するのは豊穣と酒の神であるバッカスの存在です。
ある日酒に酔ったバッカスは、対立する月の女神ディアナよりも力があることを誇示するため、自分の家来であるバッケー(豹の姿をした善意の判断がない猛獣)たちにディアナに仕える精霊アメシストを食いちぎって襲うように指示しましや。
それに気づいたディアナがそれを阻止するため、アメシストを小さな透き通った石に変えてしまいました。それは見事に美しい水晶であり、それを見たバッカスは自分の犯した罪の深さに震え、「未来永劫、私のブドウの実りはアメシストへの懺悔になろう」と自らのワインの一滴をたむけました。
すると驚いたことに透明な水晶がブドウ色に染まり、これがこの世で一番美しい紫色をした、宝石アメシストのはじまりであると伝えられています。
そんなことから、アメシストは酒酔いのお守りであり、豊穣の実りがある宝石として人々に愛されるようになりました。
日本では聖徳太子の冠位十二階をはじめ、紫が最も高貴な色とされていたことが有名ですが、実は世界の歴史でも同じく紫色は高貴な色とされてきました。
例えば現代においてロイヤル・パープルと呼ばれる赤紫色は古代皇帝の権威を象徴し、古代ローマや、ビザンチン帝国時代には皇帝専用の色とされていたようです。
その理由はどちらもその色を作り出す事が大変困難で手間がかかったから。
ヨーロッパでは骨貝から分泌する粘液を塗布する方法、日本では紫草の根を用いた紫根染め。
方法は違ってもそう簡単に紫色に染めることが出来ず、やがて高貴な身分の人しか身に着けることが出来ない特別な色という風に位づけられました。
今のようにカット研磨の技術が高く無い時代でも、宝石そのものに価値があり、また自然の状態で貴重な紫色であるアメシストの価値が高まったのは当然のこと。
ユダヤの祭司の胸当てに飾られたり、キリスト教世界では「司教の石」として全員がアメシストを用いた指輪をはめたりしたと言われています。
そんな歴史を想像しながらアメシストを眺めると、またひと味違う奥深さを感じるものです。
一点だけ注意しなければならないのは、この紫は太陽光には弱い事。直射日光を浴びたまま放置してしまうと色が退色してしまうことがあるので、ケースに入れて光の当たらない場所で保管をおすすめします。
アメシストは他の宝石と比較すると大きな結晶が多いため、自由自在にカットを楽しむ傾向にあります。
そのため、リフォームを希望されるアメシストも一般的なオーバル(楕円)やラウンド(円)にファセットカットを施したものをはじめ、半球状のカボションカット、個性的なファンシーシェイプと呼ばれるものまで様々です。
大きさやカタチによってリフォーム出来ないということはありませんので、どのようなカタチでもお気軽にご相談下さい。
J.C.BARでは宝石のリカットやリポリッシュにもご対応しています。
全く必要が無い場合も多いのですが、中には長年使用することによって石の表面にダメージを受けてキズや欠けが生じている場合もあります。
リカット/リポリッシュは、ついてしまった小傷などのダメージのほとんどをとり除くことが出来ます。
また譲り受けたジュエリーの場合、数十年の時を経ていることも多く、折角の素材が生かし切れていないことは珍しくありません。
リカットはそういったアメシストの秘めた色や輝きを更に引き出すことが出来ることもあります。
全ての石が当てはまるわけではなく、ほんの少し小さく(軽く)なるということはありますが、概ねただ石を外してリフォームするよりも数段美しく仕上がります
ご興味がある方は是非、リカット/リポリッシュをお勧めします。
アメシストの特徴として、産出量が比較的多いため価格が安価なものも流通しています。
そのため、プラチナやゴールドを使用した高級なジュエリーだけでなくシルバー素材にセットされていることも珍しくありません。
一般的には安価なジュエリーにセットされる宝石は、高級なジュエリーと比較するとカットが甘かったり、欠けていたり、色の冴えがあまり良くないという場合もあります。
そういった石の中にもリカットすることによって見違えるように美しくなる可能性もあります。
もしシルバーなどに留まっていても価値のないものと判断せずお気軽にお声がけ下さい。
アメシストは日本でもかなり古くから流通している宝石であるため、お母様やお祖母様から譲り受ける方も多く、J.C.BARにもリフォームのご相談を数多くお寄せ頂いています。
リフォームをご検討される際には、その宝石がリフォームをする価値があるかどうかや、劣化していないかを気にされることが多いものです。
価値に関しての判断は個体差があるので、一概にどうということは言いにくいのですが、劣化に関してはアメシストはある程度硬い宝石であるためそれ程心配することはありません。
色に関しても、宝石箱にしまわれている限りは色褪せてしまっているということは滅多にないので、リフォームにも向いている宝石と言えます。
アメシストの色は紫色。
紫色はライラックや藤色など、美しい花々に例えられる事が多く、アメシストもまたそのロマンティックな表現に相応しい、パープルです。
一般的に透明度の高い石が多いため、この美しい紫色を存分に楽しむことが出来、明るいパープルからどっしりとした濃い紫までカラーバリエーションも様々です。
この美しい色はジュエリーの主役である中石(なかいし)としては勿論、小さなメレ石でも色の濃いものがあるため、装飾のための脇石としても効果を発揮し華やかさを添えます。
紫色の宝石は他にもありますが、そのほとんどがパープルや、ヴァイオレットなど前置きを付けなければならないのに対して、アメシストはその一言で誰もが[紫色]を目に浮かべることが出来るほどポピュラーです。
しかも、ルビーやサファイア、タンザナイトなど有名なカラーストーンの多くが加熱等ひと手間を加えて美しい色を現すのに対して、アメシストのほとんどは原石段階で美しい紫色。
何も手を加えない自然の色でこのような美しい色を楽しむことが出来ることもアメシストの価値と言えます。
水晶系の宝石は透明度の高いものが採れやすく、アメシストも透明度が高いものが一般的なので出来れば内包物が無いものを選ぶことをお勧めします。
もし、内包物があっても色やカットに特別惹かれた場合は、ご自身でその内包物が気にならない位置であることや、それが割れや欠けにつながる可能性が高いものかどうかを確認しましょう。
アメシストの色は淡く明るめの紫から、一見黒に見えるほどのものまでバリエーションがあります。
色は好みがわかれるので好き嫌いがあっても良いのですが、伝統的なこっくりとした深みのある紫色が高く評価されます。
この際、色が濃すぎない丁度良い明るさも重要。極端に色が濃すぎるアメシストは黒に近く見えるため美しい紫とはみなされず評価は下がってしまいます。
また紫には赤紫、青紫という表現があるようにロシア産は赤みが強く、カナダ産は青みが強いなど、その地質条件によっても左右されます。
比較的目にしやすい宝石なのでご自身の好みにぴったりのアメシストを探してください。
他の宝石よりも流通量が多く、安価な宝石のせいもあってカットの精度も様々あります。
丁寧に左右の対称性や、表面の研磨までこだわり抜いたカットや研磨が施されていればその美しさを引き出すことが出来ますが、中にはかなり雑にカットしたものも見かけます。
アメシストはモース硬度7と比較的硬い宝石のため研磨の良し悪しも割と輝きを左右します。
色や透明度など他の要素に満足出来たら、それが美しく輝くようカット研磨されているかも出来ればチェックしましょう。
また、オーソドックスなカット以外にも特殊なカットを施されたルースに出会うことがあると思います。そういった場合は美的要素がより強くなるので、インスピレーションで選ぶのもまた楽しみだと思います。
美の評価は人それぞれですが、そのバランスが揃ったアメシストは意外と出会えません。
私自身、2月生まれでアメシストが誕生石なので、良いアメシストを常に追い求めていますが、昔見た最高に美しいアメシストが忘れられず、それ以降もそれを超える石にはなかなか出会えないのです。
それはバフトップカットと言って上部は丸いドーム状、下側にファセットカットが施されたウルグアイ産のアメシスト。滑らかなカットによって固いはずのアメシストがとろけるよう見えて、色についても極上の紫の奥からチカチカと赤色の光が動かすたびに現れる石でした。
アメシストは比較的安価なため、良いものはいくらでもあるような印象を持たれがちですが、このように本当に満足出来る最高級クラスは滅多にありませんので運命の一石に出会った時は是非逃さずお手になさって下さい。
これぞ[紫]というイメージのアメシストの中で、優しいピンクパープルのカラーで人気となったのがローズ・ド・フランスです。
鑑別上認められた名前ではなくプロモーションのためのコマーシャルネームなのですが、ロマンティックなネーミングと、その名の通りの可憐な印象はぴったり。
アメシストの濃い紫が苦手という方には是非こちらもオススメです。
紫というよりも、ピンクに近い印象のため、誕生石でありながらこれまでアメシストの色があまり好みではなかったという方にも受け入れられ、ジェイシーバールのサロンでも大人気のカラーです。
あくまでコマーシャルネームのためローズ・ド・フランスと呼ぶためのルールはないので、かなり色が淡いものから、褐色味の強い色までその名で販売されている事があるようです。
当サロンでは適度な色の濃さと透明感のある美しさを感じられるものだけをお客様にローズ・ド・フランスカラーとしてお客様にご紹介しています。
ライトなピンク系宝石はモルガナイトや、ピンクトルマリンなどもありますが、他のアメシスト同様、比較的お求めやすい価格帯であることも人気の秘訣。お気に入りを見つけてオーダーメイドジュエリーのお仕立てもおすすめです。
もう一つ気をつけなければいけないのが他の宝石とぶつけないという事です。ジュエリーを守るための宝石箱の中と言えど油断大敵。
ダイヤモンドや、ルビー、サファイアなどアメシストより硬度の高い宝石とぶつかれば、いとも簡単に傷はついてしまいます。
沢山収納出来る宝石箱をお使いの方はなるべくぶつけないように、間隔を開けるか、小さな小袋を併用するなどして収納して下さい。
私は日々リフォームや修理のお預かりをしますが、硬いとされるアメシストでも、ルーペで確認するとやはり大抵小さな傷はついているものです。
アメシストの場合、それらの傷を再研磨する事も出来ますが、僅かでもコストがかかりますので、そういった出費は出来れば避けたいものです。
そうならないためにも、特に指輪は「硬いから絶対大丈夫。」ではなく、「硬めだから割と安心して使えるけど気をつけないとね」位のイメージでご愛用頂くのがオススメです。
アメシストはモース硬度7と、ある程度硬い宝石のため日常的に身につけやすい宝石として知られています。
宝石の硬さは、この7を基準にこれ以上低い硬度のものは傷がつきやすいとされ、アメシストを含むクォーツのモース硬度7以上あれば比較的安心して使える基準とされています。
ただし、このモース硬度は引っかきに関しての硬度なので硬いところに落としたり、ぶつけたりすると欠けたり、割れたりする可能性は十分にあります。
そのため衝撃には気をつけてお使い下さい。
また、宝石の硬さが同じでも、アイテムによって割れたり欠けたりするリスクの度合いは変わります。
仮に毎日身につける事を前提として考えた時、胸元に着けるペンダントやブローチが他のものとぶつかる事は滅多にありませんが、指輪の場合気がつかないうちにあちこちにぶつかる事が予想されます。
指輪で楽しみたい方は少しその事を覚えておいて下さい。
美しいアメシストの色を末永く楽しむために気を付けなければならないのが、色褪せの対策です。
とは言ってもそれほど難しいことをする必要はなく、取り扱いの項目でご紹介したのと同じく、ジュエリーボックスや、個別のケースに入れて日光が当たらないように収納することでそのリスクを避けることが出来ます。
また、アメシストは加熱することによって色を黄色~褐色に変化させることが出来、それが11月の誕生石として知られているシトリン(黄水晶)です。
日常的な温度で変化することはありませんので心配はありませんが、直射日光が当たり高温になるような場所に置きっぱなしにすることは避けた方が良いでしょう。
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