2020/07/06

ラピスラズリ紺碧の魅力

1級ジュエリーコーディネーター嶋直樹のブログ『一粒万倍』

ラピスラズリは紀元前より聖なる石として用いられ、様々な宝石の中でも最も古くから愛されてきた人類最古のパワーストーン。その魅力と特徴を1級ジュエリーコーディネーター嶋直樹が自ら撮影した宝石写真と共にご紹介します。

 ラピスラズリ ーLapis-lazuliー

鉱物

複数の鉱物の集合体(岩石)

化学組成

個体差あり

濃紺、紺、青

屈折率

1.500、1.670

複屈折

なし

比重

2.75(+ / - 0.25)

モース硬度

主に5~6 個体差あり

 

ラピスの色

ラピスラズリと言えばなんといっても青。宝石を意味する-ラピス-Lapis-と青色を意味するラズリ-Lazuli-からその名が成り立つことはラピスが何より青色宝石の代表格であることを示しています。

特に高品質なラピスはどこまでも深い青色であり、その美しさは吸い込まれるような魅力を持つ夜空のようです。

そして、まるで夜空にまたたく星空のように分布するパイライトの粒。こんなにロマンティックな神様の恵みがあるのかと思わせます。

和名も青金石と言います。

ラピスの青はとても複雑で、ひとつの色ではありません。これについて詳しくはまた別の項で紹介しますが、よく見るとダークな濃紺、明るさを感じさせる青、グレーや白、そして上記のパイライトが折り重なるようにしてひとつの宝石を成しています。

神秘のブルーを身に着けた古代の王

十分な明かりがない古代オリエントの時代からラピスラズリは天空のかけらと称されてきましたが、この美しさは当時極一部の特権階級のみが所有を許されたと言われています。その証は現代にも残されています。

現代では様々な合成染料が存在し、青に限らず様々な色を作り出すことも苦労はしません。しかし、紀元前の大昔はもっと素直に、そこにあるもので色の表現をしていました。

ラピスラズリはそんな自然の色の中でも特に美しく、そこに目を付けたのが古代の王家でした。権力を誇示するために富の象徴として宝石を活用したクレオパトラはラピスラズリを砕きメイクに用い、青の美しさを自らの美に取り入れたと考えられます。

ラピスと黄金

そして、この時代さらにラピスラズリと合わせて美しさ、権威性の象徴となったのが金です。

ツタンカーメンの黄金のマスクにはヘッドセット、胸当てなどの装飾として約60もの印象的なブルーのラインが入っており、さらに眉やアイメイクにもラピスブルーが効果的に用いられています。他にも紀元前13世紀の作品として黄金に大きなラピスラズリで作られたスカラベが嵌められたブレスレットもまたツタンカーメンの埋葬品として歴史的な宝物となっています。

身に着けると強い力が備わると信じられていたことから、王はラピスを独占所有し他のものに力を与えないようにと考えたとも言われています。

そして、その後も古代エジプトの王は遠く離れた産地からラピスをもたらすためのへ交易路も築いたと言われています。

このようにラピスが世界の歴史上、最も有名な王に関わる宝石となったのは、美しいだけでなく、その美しさが秘めた力や強い神秘性を感じさせたことの証です。

世界各地で聖なる宝石と認められる理由

ラピスは世界最古のパワーストーンと言われています。私はあまりパワーストーンという言葉を使わないようにしているのですが、ラピスラズリに関してはこの言葉がこんなにしっくりくる宝石はないと感じています。

ラピスは先にご紹介した古代の王に始まり、現代まで約6000年もの間、常に人類と関り、馴染んでいる宝石であるからです。

ラピスの高貴な青色は人の心に落ち着きを与え、幸福を招くとされています。困ったことに、あまりにもその歴史が長いため様々な逸話があり、どれを信じて良いか迷うくらいですが、何れも人々を幸せに導く言葉に溢れています。

代表的なものは健康、愛和、成功、決断力、知恵などが挙げられ、洞察力を高める、凶事から身を守る、平常心を保つ、邪気を払うなどお守り的要素も加わります。これだけの宝石であるからこそ、世界各地で宝石として認められてきたのでしょう。

青色宝石の結集

さて、ここからはラピスラズリの複雑な色の秘密についてご紹介します。ラピスはひとつの宝石ではありません。

と言うのも、ダイヤモンド、ルビー、エメラルドなどほとんどの宝石が結晶であるのに対して、ラピスはラズライト、カルサイト、パイライト、アウィン、ソーダライトなど様々な結晶が混ざり合った集合体つまり、岩石だからです。

古い宝石図鑑などでは、同じようにラテン語の青Lazurの意味である鉱物ラズライトの事であると表記してあるものもあります。

ふたつと同じものがないラピスラズリ

ラズライトの他にカルサイトが多く混ざればかなりグレーが強くなり、評価は低くなります。また、星空のきらめきのように見えるパイライトも入り方によってはグリーンがかって評価が低くなる場合もあります。

研磨後のラピスの見え方としては絵具の紺色や青色を混ぜて軽くかき混ぜたところに、グレーを落とし込んだような感じの石もあれば、そこに金粉を散らしたような石、純粋に青色系だけを混ぜ合わせたような石まで同じものはふたつとありません。

ラピスのファッション性

ラピスの色あらゆるファッションに馴染みやすくコーディネートしやすい宝石です。瑠璃、群青、紺、プルシャンブルーなど、何れも上質な青色として表現されるラピスブルーは知的な印象を与え、清潔感や正義感なども連想させます。

ラピスの取り扱い

硬度は5.5で水晶よりも柔らかいものの、比較的耐久性は高く欠けることはあまりありませんが圧迫や高熱には非常に弱く、他の宝石同様気を付けて扱わなければいけません。

また湯に浸す、酸、アルカリなどによっても影響を受ける場合があるのでクリーニングの際には専門店にご依頼ください。

ジュエリーとしてのラピスの魅力

ラピスの色あらゆるファッションに馴染みやすくコーディネートしやすい宝石です。瑠璃、群青、紺、プルシャンブルーなど、何れも上質な青色として表現されるラピスブルーは知的な印象を与え、清潔感や正義感なども連想させます。

ペンダントトップやリングなどはもちろんおすすめですが、ネックレスタイプのラピスのジュエリーは長さやカットによって表情が変わるのでご自身が周囲の人に与えたいイメージに合ったデザインを選ぶのも楽しみのひとつだと思います。

PROFILE
1級ジュエリーコーディネーター
真珠検定スペシャリスト
有限会社ジェイシーバール専務取締役

嶋 直樹 Naoki Shima

ジュエリーコーディネートと真珠それぞれの国内トップ資格者。専門家としてテレビのコメンテーターや解説など多数出演。またミスコンテストの講師など美を追求する分野でもその技術を生かすプロフェッショナル。

J.C.BAR News

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